チャーリー・ブラウン初登場(主要な登場人物)
「チャーリー・ブラウンは悩み、苦しみ続けるでしょう。日々うまくいかないことだらけの私たちの姿を投影しているのが彼なのです。 勝つことはすごく素敵ですが、彼がうまくいっては面白くないのです」
チャーリー・ブラウンについて・・チャールズ・M・シュルツ
チャーリーブラウンはチャールズ・M・シュルツによって描かれた新聞漫画「ピーナッツ」の主役です。ピーナッツの初回から最終回まで登場し,全てのアニメーション作品にも登場したのは彼だけです。
チャーリーブラウンはこの大人気漫画の主人公として、いつの時代にも多くの人々から愛され続けてきました。
彼は本人も認める「ダメ男」です。チャーリー・ブラウンは優柔不断で,そのせいで失敗することは数知れず。しかし,友達には誠実で,妹には忍耐強く,彼のことを"丸頭の男の子"としか思っていない犬に対しては献身的です。
ライナスは1990年7月24日のストリップで「チャーリー・ブラウンはいつも恋している」と言いますが、その言葉通り彼は恋多き男です。
もっとも有名なのは小さな赤毛の女の子ですが、そのほかにもペギー・ジーンやエミリーというった女の子にも夢中になりました。
チャーリー・ブラウンは、50年間のお話の中でいろんな側面が描かれました。
初期のころのチャーリーブラウンは強引でやんちゃ
登場したての頃のチャーリーブラウンは他の登場人物に対するいたずらや、バイオレットやパティとのロマンスも描かれました。大人をおちょくることすらありました。 しかし、新聞掲載が進み、次第にチャーリーブラウンは誰もが知る「愛すべき敗者」となっていきました。
53年にはすでにルーシーとのチェッカーの試合に負け,勝てない野球を始めるようになりました。
チャーリー・ブラウンはものすごく悲観主義者かと思うとものすごい楽観主義者
彼は時に仲間外れにされ、いじわるされます。いわれのない事で仲間たちから非難されたり、侮辱されたりすることだってしばしばあります。
彼が人生を嘆くのを私たちは何度みたことでしょう。そして彼は自分を嫌っています。
なのに彼は明日はきっといい日になると信じる楽天家でもあるのです。彼はだれよりもポジティブな人間なのです。
そんないい例が野球の試合に対する彼の態度です。
どんなにゲームが負けていても(全く勝つチャンスがないように思えても)、チャーリー・ブラウンは常に彼のチームがまだ勝つチャンスを持っていることを確信しているのです。
繰り返し登場した野球のエピソードの一つが「試合の途中に土砂降りが降る」というものがあります。
他のチームメイトが次々試合を諦めて帰ってしまっても、彼は頑としてピッチャーマウンドに立ち続けるのです。
彼が試合にでることがチームを敗北に導いているのかもしれないのに、それでも彼はフィールドに立ち続けるのです。
彼は人々から称賛されることを夢見て、どんなことでも一生懸命努力します。
1999年12月27日のストリップでは、チャーリーブラウンは次のシーズンの全試合でジョー・トーレみたいに選手をにらみつけて勝利するんだなんて計画をサリーに語っています。
ところが,残念ながらこの週でシュルツさんはピーナッツを描くことからリタイアしてしまったのです!
そのために,次のシーズンは永遠に訪れることはなくなってしまいました。
でも,それを知っていたとしても,きっとチャーリーブラウンはサリーにジョー・トーレのものまねを披露したことでしょう。
酷い目にあっても開け続けても,絶望しても彼は不運を受け入れず頑張るんです。チャーリー・ブラウンってすごいんです。
チャーリーブラウンは実は頭がいい!
ルーシーやバイオレットは彼をバカにしますが、実際はライナスほどではありませんが,人並み以上のボキャブラリーを持つ、頭がよい知的な人物です。
たくさんの哲学的な思想や思慮深く的確な自己分析を語る彼の姿を思い出してみてください。
間違いなくチャーリーブラウンはキレものです。
そして,チャーリー・ブラウンはなかなかの読書家だと思うのですが、宿題の読書感想文はずるずると先延ばしにしていました。
チャーリーブラウンの隠れた才能
1 漫画を描く
チャーリー・ブラウンは漫画が大好きで、自身も漫画を描き、その漫画を他の子に見せます。
こんな様子はシュルツさんの子供時代そのものなのではないでしょうか。
また,チャーリーブラウンは漫画コレクターでもあり、「独立戦争」や「南北戦争」「第一次世界大戦」のような漫画が好みのようです。
2 大工仕事
彼はなかなか優秀な大工なようです。
スヌーピーの犬小屋(もちろん見た目より中が広くて複雑だということをご存知ですよね)を建て直したり、時には木の鳥小屋をつくったりしました。
3 楽器の演奏
彼はまたいくつかの楽器の演奏もできます。バイオリンにギター、シュローダーにピアノを初めて教えたのは、なんとチャーリーブラウンなのです。
4 実はものすごいスポーツマン
負けてばかりなので気がつかれませんが,彼はものすごい数のスポーツに熱心に取り組んでいます。野球・アメフト・アイスホッケーあたりは毎シーズン必ず行っていますが,他にもテニスにゴルフ,サッカーなどもストリップに登場しています。
5 ホームランを打ったり,ビー玉で勝ったりしたことがある
1993年3月30日に、ロイアンから野球の試合でホームランを打ったり、ビー玉遊びに特異な才能を示し、1995年4月11日にビー玉のジョーを打ち負かしたりするような姿もストリップに登場しました。
ここからは,様々なチャーリーブラウン情報を集めてみました。
チャーリーブラウンの本当の初登場はピーナッツ掲載前!
ピーナッツの新聞掲載される2年前(1948年)に
「リトル・フォークス(ちびっこたち)」
という漫画の中にチャーリー・ブラウンは初登場しました。
(詳しくは上のリンク先「ピーナッツの図書館」内の『Charles M. Schulz: Li'l Beginnings(ちっちゃな始まり)』(CHARLIES M SCHULZ MUSEUM)という本の紹介に掲載しました。初登場のチャーリーブラウンの画像もあります。)
チャーリーブラウンという名前にまつわるあれこれ
チャー リー・ブラウンの本名「チャールズ」は1977年3月17日に明らかになりました。
チャーリー・ブラウンは、チャールズという名やシュルツさんと同じように床屋の息子であるということが示すように作者のシュルツさんの分身といえるたキャラクターです。
しかし実際には、彼の名前「チャーリーブラウン」はシュルツさんの勤めていたアート・インストラクション社の同僚からもらいました。 彼がいつでも「チャーリー・ブラウン」とフルネームで呼ばれるのも、この同僚のエピソードからによるものです。
シュルツさんはピーナッツを「Good Ol' Charlie Brown(おなじみチャーリーブラウン)」というタイトルにしたかったと後に語っています。 「ピーナッツ」というタイトルは、カートゥーン・シンジケー ト(ピーナッツの配給会社)によって決められたのです。そのため、チャーリーブラウンのニックネームが「ピーナッツ」であると思った読者がたいくさんいたそうです。 だから,シュルツさんはサンデー版にピーナッツのサンデー版は「Peanuts featuring Good Ol' Charlie Brown」というサブタイトルをつけたそうです。
ほとんどの登場人物が彼を「チャーリーブラウン」とフルネームで呼びます。しかし,ペパーミントパティとマーシーだけが例外です。
ペパーミントパティは1966年8月24日のストリップで彼を「チャック」と呼びます。
それ以来 彼女はチャーリーブラウンのことを「チャック」と呼び続けます。
ペパーミントパティの友達のマーシーは、チャーリーブラウンのことを「チャールズ」と呼び ますが、ペパーミントパティと同様に「チャック」と呼ぶこともあります(1979年ごろのお話では、この二人がチャーリーブラウンに気があるように描かれます)。
彼の妹のサリーは、家族なのでチャーリーブラウンとは呼ばず、彼のことを「お兄ちゃん」と呼びます。
1990年代初期に登場したペギー・ジーンは彼を「ブラウニーチャールズ」と呼びました。
可愛らしいペギージーンを前に、チャーリー・ブラウンは自分の名前を間違えて自己紹介してしまったのが原因です。
1973年1月7日のストリップに登場したプーチーという少女が、彼を「チャーリー・ブラウン」と初めて呼んだと紹介されます。
これは、「チャーリーブラウン」はかつては「チャーリーブラウン」と呼ばれていなかったということをほのめかしているのでしょうか?
チャーリーブラウンはつるっぱげ?
チャーリー・ブラウンの頭は前髪と後ろ髪が少しだけの丸坊主のようです。しかし、シュルツさんは
「彼はとても明るい金髪で短くしているから、坊主のように見えるだけなんだ」
と語っています。(ただし、1955年7月17日のサンデー版でチャーリーブラウン自身が「ぼくは君みたいな金髪なんか少しももってないからね」とシュローダーに言っているのですが(笑))
おなじみのシマシマシャツの初登場は?
チャーリー・ブラウンのおなじみのシマシマシャツは1950年12月21日のストリップに初めて登場します。
それまでの二ヶ月間,チャーリーブラウンは簡素なTシャツを着て登場していました。シマシマシャツは「黄色」であるとすっかり定着してしいますが,これは1965年にスタートしたTVアニメーションの影響でしょう。 50年代にカラーで新聞掲載された時にはほとんど「赤い」シャツとして色づけされています。アニメ化前のキャラクター商品では青いシャツも登場しました。
誕生日は?
1950年のストリップでは、チャーリーブラウンの誕生日は10月30日であるように描かれましたが、
その後、彼の誕生日について描かれたストリップは登場しませんでした。
チャーリーブラウンは何歳?
チャーリー・ブラウンは1950年11月3日のストリップでは「たった4歳」だと言いますが、しかしその後の20年間でちょっとずつ年を取っていきました。
1957年11月17日のストリップでは「6歳である」と語り、1971年4月3日のストリップでは「13年後には21歳になる」と話していることから、どうやら8歳であるらしいことが分かります。
さらに1979年7月11日のストリップでは彼は「8歳半」だと言っています。
最終的にチャーリーブラウンは8歳ぐらいという設定で落ち着いたようです。
チャーリーブラウンはバレンタインカードもハロウィンのお菓子もたくさんもらってる!
チャーリー・ブラウンはバレンタインデーやクリスマスではだれからもカードをもらえず、ハロウィンではお菓子の代わりに石ころをもらったりします。
TVアニメーション「Be My Valentine, Charlie Brown(バレンタインだよ、チャーリーブラウン)」や「 It's the Great Pumpkin, Charlie Brown (ハロウィーンだよ、チャーリーブラウン)」が放送された時には、
多くの人が彼に同情し、放送局を通じて彼にバレンタインカードやハロウィーンのお菓子を送るという皮肉な状況が起きました。
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